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海に囲まれつつ日本が海洋国家にならなかった訳

僕は海が好きです。
舟も好きだし、潜るのも好き。
なんとなく、海を眺めているだけでも心が平穏になる。

ずっと以前からなんとなく考えていたことなのですが、日本は海に囲まれているのに海洋国家にはならなかったのは何故だろうか?という素朴な疑問がありました。
このところ、ヨット乗りの方の書いた本や、海難事故から生還された方々の書いた本を数冊読んでいる中で、なんとなくその理由がわかったような気がします。

ここでいう海洋国家というのは昭和の時代に造船大国と呼ばれていたのとは別の話です。
この国にとって黒船が日本に来るまで、太平洋の先は地の果てだった。

そもそもこの国の造船の考え方は外洋に出ることを想定して作り始めたのは近現代からで、それまでは入江の中や沿岸での戦いを有利に進める為のもの、程度の話であった。(毛利水軍やもっと古くは雑賀の舟鉄砲などかな?)
遣唐使として日本海を渡ったとか、倭寇として朝鮮半島まで行ったとかが、せいぜいで、その先の新天地を目指すという発想自体はあまりなかった。

なんで?

中世ヨーロッパでは大きな帆船を造り、外洋を目指した。
ジパングなんていう言葉がまだ伝わっていない頃から、アフリカ沿岸各所に拠点を作り、少しずつ遠くの海を目指して冒険していた。
いわゆる、大航海時代だ。
見知らぬ土地の特産物を持ち帰ると巨万の富が得られたらしい。

当時の日本人も、同じように中国沿岸に拠点を作りつつ、ベトナムなどの東南アジアに足を延ばすことは考えなかったのだろうか?
マレーシアをまわってインドに辿り着いていたら、日本の歴史は変わっていただろう。

日本人は冒険心がなかった?
日本人は技術力が足りなかった?
日本人は海が嫌いだった?
んーー。どれも違うような気がする。

なるほど、と思ったのは、あるヨットマンの言葉。
「地中海は池であり、大西洋は川である。そして太平洋が海だ。」というものであり、その感覚がヨーロッパの人々の感覚でもあるようだ。

池であれば、初心者もヨットの練習はしやすい。
そこは池のようにおだやかな地中海。
操船技術を覚えながら、ぽかぽか陽気の地中海の島々を巡ることができる。
想像するだけで、楽しそうだ。

ある程度、操船技術が上達したら、大西洋に挑戦する。
大西洋はアフリカ大陸とアメリカ大陸の隙間にある細長い海である。
太古、地球には一つの大陸しかなかった頃、大陸に大きな裂け目ができた。
それが今の大西洋である。

大西洋でヨットが転覆沈没し、救命ボートで漂流し、生還したスティーブンキャラハン氏の漂流記が翻訳されている。
その本によると、キャラハン氏は、相当なサバイバル知識と強靭な精神力を持っていたとはいえ、漂流中に10回近く船を見かけ75日後には陸地が見えるところまで流れ着いている。
そして、その翌日、漂流76日目に漁船に救助された。

大西洋漂流76日間 (ハヤカワ文庫NF)
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一方、太平洋での遭難は孤独なものが多く、かつ、生存者も少ない。
外洋ヨットレースに参加して、天候の悪化が原因で転覆、沈没した「たか号」から生還した佐野さんの記録は壮絶だ。
転覆した時点で緊急避難用のゴムボートに乗り込んだのは6名。
27日後、生還したのは、佐野さんただ一人。
生死を分けたのは必ずしも地形だけではないが、大西洋の遭難とは難易度が違うことは明らかだ。

たった一人の生還―「たか号」漂流二十七日間の闘い (新潮文庫)

新島から流されたダイバーは銚子沖東南東63kmの地点で奇跡的にマグロ漁船に発見され救出された。
彼は230kmを3日間漂流していたのだが、この地点を通過してしまったら、恐らく船も通らない沖合いに潮と共に流され、発見されなかっただろうと言われている。(彼へのインタビュー記録では精神の均衡を保ちながら漂流を続けることの困難さが良くわかる。話が脱線。)

ダイバー漂流 極限の230キロ (新潮OH!文庫)
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キャラハン氏の例でも明らかなように、大西洋では流されていても、陸地や航路に辿り着く可能性は太平洋に比べたら圧倒的に高いのだ。
ヨーロッパからアフリカ各地へは、大航海時代からの航路があり、新大陸であるアメリカ大陸へもヨーロッパからは各種の船便が出ている。
中南米やカリブ海への航路もあれば、喜望峰を回る航路もある。

それに引き替え、太平洋での航路は少ないため、漂流者が航路にさしかかる可能性も圧倒的に低い。
また、太平洋は、ただ流され続けて数週間以内に陸地に辿り着く可能性は、ほぼ皆無に近い。

地形の問題だけでなく、天候も大きく違う。
地中海の夏は10日中、10日は晴れて穏やかな天気らしい。(いぃなー。)
それに引き替え、日本周辺では海況が良いのは3日に1日とか、5日に1日とかと言われている。
平均気温や水温が最も高い夏から秋にかけても、台風が多数発生し、海況は決して良いとは言えない。

言ってみれば、太平洋は上級者にだけクルーズが許される、難易度の高い海なのだ。
そんな海で最初から練習せざるを得ないとなると、命を落とす確率がはるかに増す。言ってみれば、練習が練習にならない。いきなり本番だ。
沿岸や入江だけでは、外洋航海の経験値はなかなか増えないのだからつらい。
しかし、いざ、外洋に出ると過酷な太平洋が待っている。

スキーの初心者をいきなり上級者コースで来る日も来る日も練習させるのと同じだろう。
泳げない人を、急流の川に放り込むのと同じようなものかもしれない。
そら、へこむし、つらいわな。

っつーことで、日本は海洋国家にはなり得なかったのではないか?と思うのでした。
でも、やっぱ僕は外洋クルーザーで南の島に行くのは夢だったりしますねー。

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なぜ今、円高?

  • 2009/11/25 01:25
  • カテゴリー:経済

最近、円高が続いていますね。
一時期円高続きで、その後、ちゃぶちゃぶした変化のない期間だなと思っていたら、先週あたりからまた円高になっているようです。
なんて書いている間に、つい先程、ここ1ヶ月半での最安値(円高)
を記録しましたねー。(1US$=\88.349)

さて、円高の理由は?
今現在の円高の理由を明確に答えられる人っていないのではないでしょうか?
様々な要素が複雑に絡み合っているので、どれか一つが大きな理由という事ではないと思うのです。
昔の「Japan as No1 !」と言っていた頃の、強い日本経済が円高の理由ではありません。

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経済は元気なく、不況は長期に渡っている。
財政は大赤字であり、現政権はさらなる大きな赤字を予定している。
日本国債は増発され、日銀による自国国債の買い取りという禁じ手に手を出したのも、先進国では日本が最初。
そして引き続きの超低金利。(これはこれ以上下げようがない状態がずっと続いているだけな訳だが。。。)

これらはすべーて、円安になる要素です。
しかし、現実に市場は円高になっている。なんで?

日本市場の株安を理由に挙げる人がいますが、これは逆。
円高になることによって輸出産業の占める割合の高い国の株式市場は下落する。
以前の日本はそういう状況だったかもしれないが、今現在は輸出に頼る部分はかなり減ってきているし、それ以前に円高先行ではなく、株安先行で、その後、円高になっているので順序が逆です。

リーマンショック以降、世界不況に陥っていて、その中で消去法で選んだ時に残ったのが日本だから。。。
んー。なんとなく説得力があるような気もする。
スイスフランやイギリスポンドなんか、紙くず寸前だし。

でも、米国の成長率の方が高いですよね?日本より。
そんなドルが安くて、何で円ばっかりが高いの?

なんで?なんで?
今日は、そんな話。(一つの仮説。原因の一つ、と思う。)

中国と米国は急速に近づいています。
オバマ氏の中国訪問はもとより、最近の米国の中国に対する発言は明らかにトーンが変わっています。
人権無視、著作権無視の何でもありの中国に対して、厳しい姿勢をみせていたのは過去の話で、今や米国は中国のご機嫌をとる有様。

以前のメールで世界のデフレを作りだしているのは、安い中国元を背景に世界中に安価な製品群をばら撒いてきたことが大きな原因と書きました。
でも、それは後進国が皆、進んでいく道であり、日本も同じことをして、経済的な力をつけてきた。
1ドル360円の固定レートでどれだけ、日本は世界中に日本製品を売り込んできたか?
しかし、その後、308円、260円などの時期を経て、変動為替相場制に移行してきた。

今の中国は1ドル360円の固定相場を継続し続けているのと同じだと思うのは私だけではないでしょう。
正当な競争とする為には中国元を切り上げて、元高にしていかないと、バランスは取れません。
もちろん、元米国大統領のブッシュ氏も、元の切り上げについては再三に渡り要求をしてきた。
しかし、最近はそんな要求も、とんと聞かなくなった。

だって、米国債の最大引き受け国は中国ですもんね。
いまや、ドルの首根っこをつかんでいるのは中国です。
中国が米国債を売りに出せば、一気にドルは暴落する。
基軸通貨の地位が揺らぐと、米国経済の根幹が揺らぐことになる。

そんな米国債の最大のお得意様に、あれこれ要求はしづらい。
したたかな中国の政策。
(日本が最大のお得意様だった頃は、属国扱いでたいして気を使ってはくれなかったのに、中国が相手だとぜんぜん対応が違う。そこは完全に中国と日本の政治力の違いでしょうね。)

最大規模の財政赤字を見込んでいる米国。
当然、ドルは安くなる。
中国元はあいかわらず、安いまま。
こちらはまだ固定相場制なので、当事者同士がそれでよいとすればレートは変わらない。
(仲良し二人組みは揃って、通貨安の中、力を貯めている。暴落は困るが、静かな自国通貨安は歓迎される。)

さて、ドル安と元安が同時発生するとどうなるのか?

周辺国が割を食う事になる。
通貨の安いとか高いというのは、それ自体の価値というものはなく、他の通貨と比べて高いか?安いか?を言っているだけ。
(今の通貨なんて金本位制でもないし、以前の香港ドルのように米ドルに裏付けされた通貨ということもない。各国通貨は持ち合われることによって、運命共同体的な安定を目指す。単に価値があると信じられているだけの紙くずに等しい。今後、自国の中央銀行による国債買いなどが進んでいくと、全世界通貨の同時下落=世界インフレの発生の可能性も出てくる。閑話休題。)

米ドルと中国元の同時安の話に戻ろう。
んで、比べる相手は周辺国で国際市場で流動性のある通貨となると、それは円しかない。
(EUは地球の裏側です。ユーロは米ドルに対しても上昇しているが。)

中国のしたたかな政治手法を少しは見習わないと、本当にこの国は沈んでしまいます。
割を食っているのは日本です。。。
自国の国債は他国には売れず、円の独歩高は続いていく。
それでいて、ユーロの様に第二の基軸通貨とは到底なりえない日本円。
友愛も大事ではあるのだけど、国際政治は友愛では生き抜けないのだ。

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