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総額表示で思うつぼ

Date: Wed, 12 May 2004 00:01:01 +0900

みなさんは年間でどれだけの税金を払ってますか?

所得税や住民税、消費税からたばこ税まで。
トータルしたら、年間いくらぐらいになるのでしょう?

所得税や住民税などの直接税は計算が簡単です。
でも、日々支払う消費税や酒税などの間接税のトータルなんてわからない。

そこからはじまる、今日の話。

スーパーなどの小売店の広告や値札表示に税込価格が義務化されて1ヶ月あまり。
「これなら計算が楽で大歓迎」なんて思っていると騙されてしまいますよ。
誰にって、国にですよ国。
もうちょっと踏み込んで言うと賢い官僚さん達に。

官僚達の中には本気でこの国の行く末を考えている人もたくさんいます。
このままではこの国は破綻する、それを避けるためにはどうしたら良いのか?

簡単です。

支出を減らすか収入を増やす。
そのどちらかを選ぶしかありません。

自分の懐を考えてみてください。
支出を減らすには大きな苦痛が伴います。(あなたは今の自分の生活レベルを下げられますか?)
できることなら収入を増やしたいと思うのは皆、同じです。

それを国に当てはめると収入=税金。
税金を増やすには税率を上げる?
こりゃ大変だ。

所得税率や法人税率を上げるとなると政権がいくつ替わっても実現できる見込みは薄い。
そこで考えられた第1歩が「総額表示方式」だと私は思います。

この総額表示方式は税金がいくらなのかをわからなくする仕組みです。
1000円のモノを買ってレジで消費税50円を加算する方式では税額はガラス張り。
しかし、内税表示は計算してみないと、いくら税金を払っているのかわからない。

では総額表示方式で1000円の品物の消費税額はいくらでしょう?
おーい、50円ではないですよー。
1000-(1000÷1.05)で48円です。(こんなもん、暗算でできるかー?!)
(商品代金1円以下切り捨て)

まだ、この仕組みがピンとこないあなた。
ガソリンにかかっている税率って、わかります?
ビール1本にかかっている税額は?
この仕組みのポイントは税額計算を難しくするだけでなく、税金を支払っていることを意識させなくするのです。

知らないうちに払っている→税金は取り易いところから取る(これ常識!)
という考え方、ではないでしょうか?

私が大蔵官僚だったら次の手は・・・。

ズバリ、品目別に税率を変えることを行ないます。
食品などは据え置きにして宝石などにかける税率は上げる。私は元宝石屋(笑)
上げても文句の出にくいところから上げていく。(物品税の再来ですな。)

ビール、ガソリン、宝石、テレビ、車、野菜、パソコン、靴下、それぞれ税率が違っていたとしたら、あなたはその一つ一つをいちいち計算して購入しますか?
それ以前に、一つ一つの税率を覚えていられますか?
(税率にはわざと小数点をつけたりする。)

一つ一つの物品にかかる税率を上げるときは、所得税の減税などとセットにして国会審議に持ち込む。
パソコンの消費税を5%から7.45%に、靴下は生活必需品なので5%のままで、宝石は18.63%に、自動車は9.63%に上げるけれど、所得税の累進課税を一律5%減税を実現!とか。
次に食品は下げて他のモノの税率を上げてみたり、ごちゃごちゃにしていく。

結果としてふたを開けてみると大幅増税の実現です。うはうは。(税の直間比率を変えていく第一歩ではないかと、私は思うのです。)

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